『関の刃物』の最重要課題だと思う。
2009年 01月 13日
職人さんをクローズアップし、関の若者に職人へのイメージを高め、興味を持ってもらいたいという想いで、昨年から温め続けた企画です。
現在、関では「外注先」いわゆる下請けと呼ばれる、町工場が極端に減少しつつあります。多くが、家内工業で平均年齢は70歳~80歳。専門の高い技術を持つ外注先がなくなることは、刃物業界にとって、大変な課題ではないでしょうか。(業界に詳しいわけではないので、定かではありませんが)
今日は、御年77歳、刃物のまち関において、最後の打刃物職人の後藤さんを取材しました。
刃物って、大きく分けて、鉄板から打抜くプレスという方法と、日本刀のように鉄を叩いて作る方法と2種類あります。
戦後、大量生産にシフトしてきた関市において、ほとんどがプレスによる刃物。量産が難しく手間がかかる打刃物はどんどんなくなっていきました。昭和30年代10件近くあった工場も、今では後藤さんが最後の打刃物職人。
これまで若者でこういった職人になりたいという人もいたそうですが、すべて断ってきたそうです。
その理由は明確。
「収入が少なすぎて普通に暮らしていく事ができない。」
今回、取材したすべての方が、このことをおっしゃいます。
後藤さんに刃物一本作って入る大体のお金をお聞きしました。
オフレコでと笑いながらお話された値段に、大きな衝撃を受けました。
岐阜県の卓越技能賞をもらっている方ですよ。技術の高さは折り紙つきです。
「品質や技術が正等に評価されなければいけない。」
そう強く感じました。
しかし・・・そう思いながらも、これは構造的な問題。
部外者の若造がほいほい言って何か変わる物でもありません。
それでも・・・。
『ぶうめらんとして、何か風穴をあけるような取組みがしたい。』
以前からそう強く思っています。
実際に職人さんにお話しを聞いて、的外れかもしれませんが、イメージも湧いてきました。
関のまちづくりに刃物産業の活性化は欠かせません。
不景気になった時、よそから来た工場は撤退すればいいですが、地場産業はどこにも逃げることはできないですからね。
うっかり、熱が入ってしまいました(苦笑)お恥ずかしい。
ぶうめらんの誌面にはこんなこと書けないですから、つい・・・。
(写真:後藤さんに包丁、頂いちゃいました。)