行政とNPOの協働で実際に感じたこと
2006年 02月 01日
ほんの少し前(2,3年前)まで、NPOと行政の「協働」はふたつの違いを理解することから始まるとされ、受益層の違い、組織の規模の違い、収入構造の違い、行動原理の違い、時間感覚の違い、などが言われていた。
今思うと非常に生ぬるい。こんなことを今さら言っていたら時代においてかれてしまう。
NPOはその法人の増える数も異状だが、NPOへの世間の認識の変化もまた早い。もちろん初歩としてNPOを理解することも必要だが、今協働を考える時には、いかにNPOが公共部門を担うか、つまり、協働は官から民への流れによる事業委託に尽きるのではないか。
様々な自治体と仕事をする中で、自治体ごとで、自分に対する対応が面白いほど違う。
市民参画による計画づくりにおいて、あるところでは、自分たちは思いっきり業者扱され、また市民委員会運営では、自分たち独自のことをやりたいと考える委員の中で、まったくウチの設計がさせてもらえなかった。結局、間違った方向に進み、選挙で選ばれたわけでもない公募の市民が自分たちが市民の代表と勘違いし、何の民主的根拠もない計画づくりが行われた。
また一方、同じ計画づくりの中で、我々を「先生」扱いする町もある。1年目の自分にも先生扱い。この差が面白い。こないだ、市民参加での計画づくりのためのフォーラムを開催したが、最後帰るときは、超豪華なお弁当をお土産にもらい、タクシーを呼んでくれ、市長以下助役、教育長、企画部長おそろいで、お見送りを受けた。
ふたつとも極端な例であったが、実情にあっているのはどちらかといえば、前者だと思う。
NPOであっても、民間のコンサルタントとまったく変わりはない。ただ、ミッションが強いか、利益が強いかだけ。
というか、ウチでもかなり民間のコンサルタントと比べると業務遂行の質が落ちる。ただ、企画はどこのコンサルタントにも負けない市民参加による行政経営の設計ができている。
今後、さらに、自治体からのアウトソーシングが進む中で、その委託先としてNPOを等身大で見る必要があると感じた。