3/8:緑ヶ丘中学校の卒業式へ。緑中でのある経験が、今の自分の土台だった
2024年 03月 08日
小さな成功体験をつむこと 2010年6月23日
まちづくりに大切なのは、住んでいる人が小さな成功体験を積み重ねること。
師匠が教えてくれた言葉だ。
清掃活動をして、まちがきれいになって、皆が喜んでくれた。小さなイベントで、来てよかった楽しかったと言ってもらった。そんな積み重ねが、人の意識を変えて、ひいては大きな成功につながる。
この言葉は、いきなり大きな成果を狙う必要はない。そんな成果はでない。毎回少しずつ背伸びをしていけばいいんだと言っていると思う。僕はこの言葉を今でもとても大切にしている。
でもこれは、まちづくりに限った事ではない。自分の夢を見つける事も小さな成功体験がきっかけではないだろうか。
自分がこういう仕事をしたいと考えた根本は、中学3年生の小さな成功体験だった。
僕は体育祭実行委員長をやっていた。体育祭では、何か新しい事がしたいという気持ちが強く、9月なのにプールを使ったトライアスロンをやったり、なぜか外周を使ったマラソンをやったり、定番だけれども無かったパン食い競走を入れたりした。それとともに、いかに皆が一体になれるかを考えていた。中学生なりに必死だったのだ。今思えば、人に仕事を振る事ができず、一人で抱えるダメリーダーだ。
その成果あってか、体育祭は大いに盛り上がった。
当時、目立ちたがりやで、ちょっとイタいキタムラ君は、閉会のあいさつの前に「ちょっと待ったー!」と出て行き、三本締めをすることを計画していた。イタい、イタ過ぎる・・・。
しかし、現実はもっとイタい事が起こってしまった。
「ちょっと待ったー」と出ていき、朝礼台に駆け上がりしゃべりだした瞬間、一気に涙があふれてきて、全校生徒の前で泣いてしまったのだ。
自分が生まれて初めて流したうれし涙だった。悲しい以外に涙が出るなんて知らなかった。恥ずかしいからとめようと思うけれど、全然止まってくれないのだ。
終了後、恥ずかしくて、ためらいながら教室に戻ると、皆が待っていてくれた。きっと打合せをしてくれていたのだろう、みんな一斉に自分を胴上げしてくれた。あの胴上げのうれしさは一生忘れる事ができない。
この成功体験が、みんなで何かを作り上げて、みんなが楽しんで、そして周りも楽しくなる、将来そんな仕事をしたいと思うきっかけだった。体育祭、文化祭のような仕事ができたら素敵だと思った。
それが、大学でまちづくりに出会い、これも文化祭だと感じた。
そして故郷のまちづくりを強く意識するようになっていったのだ。
やりたい事がなくても、今の仕事がやりたいことでなくても、その場、その瞬間を必死でがんばって、成功させること。その体験を積み重ねる事で、何かが生まれてくるのだろう。