自治会等の地域コミュニティでの統計数字の活用の仕方。〜まちづくりに数字は大切です〜

突然ですが、クイズです!

「関市で一番、医療費を使っていない地域はどこでしょうか」
クイズという楽しげな雰囲気を醸し出しながら、お堅くてすいません。

医療費を使っていないということは、病院にかかる人が少ないのか、軽症な人が多いのか。何にせよ好意的に取られることが多いですよね。

さて、この答えは、上之保地域です。

日本老年学的評価研究の関市の地域診断書によると、
「1年間の医療サービスにおける一人当たりの医療費(歯科を含む)」の結果が、

上之保は397,520円

で、関市内全15地域中で一番低い額となっています。
ちなみに、一番たくさん使っている地域は

板取で、600,726円

なので、一人当たり約20万円も低くなっています。

さすが!

お仕事にしても、農作業にしても、家事にしても、よく動いておみえだ!
食生活もきっといいに違いない! あ、温泉がある成果か!
とか思った方、ちょっとお待ちください。

どうも、そんなに話は単純じゃなさそうです。環境は板取だって同じですしね。

今回の参照した関市の地域診断書が大変秀逸で、市内各地域(小学校区)の様々な高齢者のデータが出ています。上之保の他の項目も見てみましょう。

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 ざっくりと私の解釈を述べてみます。

 上之保の人は、グループ活動に参加したいけれど、実際は、参加できていません。
自分自身が健康だとは思っていないけれど、病院に行っていません。
つまるところ、健康だから病院に行っていないのではなく、
病院に行くことが困難だから我慢しているのです。
家用車を持たない方が、一番奥の鳥屋市から診療所までいくのは、1日がかりだそうです。

 これまで、この病院に行きたいけれど行けない問題は、交通の問題に帰結してきました。

地域循環バスやデマンドバスを出して、関市も様々な取り組みをしています。
ただ、新型コロナウイルスで、世の中が大きく動く中で、ほかの打開策もでてきました。それがオンライン受診です。10月8日の中日新聞朝刊の1面に、蒲郡市がオンライ診療の実証実験を11月から開始するという記事がでていました。いよいよ動き出しています。

 免許を返納された方に、簡単に買い物やオンライ受診できるアプリの入ったタブレットを配布するのもいいかもしれません。そして、地域の方々(地域委員会)は、お年寄りがそれを使えるようにサポートする。上之保は「身近にサポートしてくれる人がいる」と答えている割合が一番多い地域でもあります。

 このように、数字を見て考えると、これまで何となく困っている人いるなーと思っていたことが、明確な地域の課題となります。地域の感覚と数字。その2つによってまちづくりをしていくことが大切です。

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by takayukin_K | 2020-11-19 10:21 | 北村コラム 関のニュースそうだったのか!

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