地域中小企業が「地域に良いことをしてよい業績をあげる」取り組みをはじめています。
2015年 03月 26日
半年ほど前から、関のスイーツほまれさんと連携させていただいてCSVの取り組みを始めています。
また、今月は今日も含めて2つの企業の職員さん向けにこのセミナーをさせていただきました。
CSVというのは、creating shared valueの略で「共有価値の創造」のこと。
マーケティングの巨匠マイケル・ポーター氏が提唱しています。
ざっくりいうと、社会に良いことをして、よい業績をあげるとうこと。
中小企業白書2014には「社会価値と企業価値の両立すること」と書かれています。
企業の経営者に「社員のボランティアを推進してください!」とお願いしても、なかなか進みません。企業だって大変。社会的貢献活動をして、それがちゃんと業績につながるのであれば、企業も積極的に取り組んでくれるはずです。
岐阜県のNPOは現在約770団体ほど、中小企業は約82,000社あります。
CSVに多くの地域の中小企業が賛同して取り組みはじめれば、社会は一気に変わると思うのです。
社会的にも、いまこそCSVだと考えます。
それは、現代の社会課題の多くは「つながり」課題だからです。
孤立死、防犯、子供の居場所の固定化など、コミュニティが希薄になったから吹き出た課題がたくさんあります。
一方、企業にとっても「つながり」が大事な経営資源になる時代です。
三浦展さんによると今は「第4の消費」の時代といいます。それは「つながり消費」。
シェアオフィス等物を持たずにシェアするとか、顔の見える産直市が好まれるなど、他者とのつながりをつくりだすこと自体によろこびを見出し、シェア志向の価値観、行動が消費に結びついています。
顧客とのつながりを作り出せるのが「CSV」です。
企業の社会貢献やCSRというと大企業のものというイメージがまだありますが、
地域のお店や小さな企業こそ取り組むべきことだと思っています。
なぜなら、つながりをつくる顧客と近いこと。
そして古くから地域に根ざして事業を行ってきた企業はすでに社会的な資源をたくさん持っているからです。その資源を活用して「よい業績があげることができる社会的に良い事業」を展開することがやりやすくなります。
私は、地域の中小企業が目指すべきCSVは以下だと考えます。
企業が、狙いたい顧客に共感してもらえる「地域課題」を設定し、市民(特に顧客)を巻き込みながらその課題解決するための活動をし、コミュニティをつくり、共感を生み、最終的に、選ばれる。
今、私はスイーツほまれさんと「ほまれスイーツ部」という取り組みをしています。
「スイーツで笑顔を届けよう」を合言葉に、参加型のつながりづくりを行っています。
facebookページをベースに取り組みをしています。
https://www.facebook.com/sweetshomare
例えば、日々のスイーツの写真を載せるとともに下記のことをしています。
○スイーツ基金
寄付付きに指定した商品を買うとほまれがサポートしているに福祉団体へ寄付されます。
第1弾:ゆずりん商品は1つに10円ゆずりんの活動に寄付されます
○ 幸せのスイーツ教室
皆さんで一緒に届けるスイーツをつくって、高齢者、障がい者施設へ、スイーツを届けます。
などなど、今後も様々な取り組みをしていきます。
まったく実績がない取り組みに、「面白そうやな」と賛同いただいたほまれの上野さんにはすっごく感謝しています。
今日のお話させていただいた企業さんで、
「『狙いたい顧客に共感してもらえる地域の課題』とはどうやって探せばいいのですか?」
という質問をいただきました。
まさに、ここが、中間支援のNPOの役割です。
例えば、小さな子どものいる家族が対象だとしたら、昨今の課題は、ママの再就職、都会なら待機児童、地域内の防犯、小さな子どもが抱える難病もあるかもしれません。
こういった地域の課題は地域の中間支援NPOが把握しているはずです。
そうして、実際にCSV事業を始める際には、連携するNPOが必要になる場合も多いです。そこをつなげるのも中間支援の役割。
ぶうめらんとしても、今後CSVの取り組み行って、地域の課題に本業で取り組む企業が増やしていきたいと思っています。