大学生に活動へ参加してもらうためには。関の大学生のボランティア意識調査をやりました。
2015年 03月 18日
学生の数は3000人。
しかし、ボランティアやNPO活動へ参加している学生は少ないと感じていました。
「学生がたくさんいる割に、まちで学生をあまり見かけない」。
「福祉系と医療系の大学だから実習や国家試験で忙しいらしい」。
などなど、実しやかに語られています。
関市市民活動センターとしては、せっかくの地域の資源である大学生がどのようにしたらもっとボランティアやNPO活動へ参加してくれるのか、その方法を探るべく、関の学生のボランティア意識調査をしました。
この調査結果から、NPO団体や市民活動センターがどのような環境を整えれば学生が参加してくれるのかを考えてみました。
詳しくは、調査結果報告書を作成いたしますが、まずは、市民活動センター通信しっぷすにて結果とその考察をのせました。しっぷすは、4月号の広報せきとともに回覧板でまわります。また、県内NPO支援センター等で配布いたします。
こういった、狭い地域に限定した調査はないので、関市市民活動センターとしては、今後もまちづくりやNPOに関する様々な調査をしていきます。
1.8割以上の学生が「ボランティア」をやってみたい。しかし、実際にやっているのは9.1%
図1のように、80.4%の学生が今後「ボランティアに参加してみたい」、「機会があれば参加したい」と回答しています。一方、現在、ボランティアしている学生は、全体の9.1%に留まることもわかりました。やってみたい学生が8割いるにもかかわらず、現在やっているのは1割満たないという点には大きなギャップがあります。
2.「困っている人に役立てる活動」だということをちゃんと伝えられていますか
では、学生がボランティアする動機はどのようなものでしょうか。三大要素が見えてきました。図4をご覧ください。
「困っている人の役に立てる」22%、「自分の知識、技術、能力、経験を活かす」20%、「活動そのものを楽しむ」20%。
この調査からは、活動へ学生に参加してもらうために市民活動団体がどのような点を伝えられるか、どのような内容のボランティアをプログラムするか分かってきます。皆さんの活動が「困っている人の役に立てる」活動であることは、前提にあるとして、それをいかに伝えるのかが大切です。
ボランティア募集チラシ等の広報物には下記の流れで書くことをお勧めします。
① 自分たちが「誰のどんなお困りごと」への活動なのかはっきりと伝える
↓
② 今自分たちの活動は、こういった部分が不足していて、こんな学生を求めている
↓
③ 活動に参加するとこんな楽しいことがある
また、自分たちの活動へ我田引水して参加してもらうのではなく、学生が自分たちで困っている人に対する活動を考えてもらい、それを受け入れていくことも大切だと考えます。
3.「時間的に融通がつく」体制づくりを
学生に「どのような環境が整えばボランティア活動に参加しやすいのか」聞きました。図5をご覧ください。ここからは2つの大きな要因がみえてきました。
① 「時間的融通がきく(わずかな時間でもできる、勉学に支障がない)26%
② ボランティアの情報を気軽に知ることができる。25%
対象者がいる活動の場合は難しい場合もありますが、「この時間にここに来てくれ」というものではなく、僅かな時間でも手伝ってもらえることや、シフトを組むなど、学生の時間の要望にも応えられるような仕組み作りも大切です。学生同士グループを組んで学生通しで時間をあわせてもらうことも有効でしょう。
また、ボランティアの情報がなかなか学生に伝えられていないことも分かります。現状、市民活動センターとして学生へボランティアの情報を提供する仕組みが整っているとは言えません。ボランティアをやりたい人が8割いることを考えると、情報が行き渡っていないことが、大きな要因の一つでしょう。各団体で学生へ学校を通した情報発信をしていただくことはもちろん、今後、当センターとしても大学と連携して、ボランティア情報の提供する土台作りをしていきたいと考えています。
③ まとめ
今回の調査から、学生ボランティア意識にていて分かってきたことがあるのではないでしょうか。ボランティアをしたい学生が多いにもかかわらず、現在やっている学生は少ないという点に大きなギャップがあります。今回の調査を参考にしながら学生に呼びかけを行えば、巻き込める可能性は大いにあるのです。