地域丸ごと巻き込むまちづくり。
2011年 04月 02日
さてさて、昨日は、関JCさんの公開例会で地域プロデューサーの近江正隆(株式会社ノースプロダクション)さんの講演会へ行ってきました。
近江さんは以前から、どうしてもお話を聞きたかった方。昨年チャンスがあったのですが、見事、前日に新型インフルエンザかかり、断念していました。
近江さん自身、様々な業績がある中で、今回は「うらほろスタイルふるさとづくり計画」のお話。
「子どもたちが夢と希望を抱けるまちを目指す」ということで、地域全体を巻き込み、義務教育の中にこの取組を位置付けられています。
地域魅力発見のバスツアーが小学校のカリキュラムにあり、中学校3年生では、義務教育で地域の魅力を取り組んできた成果として、地域が良くなるための企画提案を発表しています。そして、その提案を、地域の大人たち(行政、商工会等が中心に)が全力で実現させるという活動です。
2010年農林水産省「食と地域の絆づくり優良事例」に選ばれています。
今回、僕自身としてどうしても知りたかったことは「どうしたら、あんなに地域全体を巻き込んで、仕組みにできるのか」という点でした。その視点での学びを書いておこうと思います。
近江さんの言葉で最も印象的だったのはこんな言葉です。
「地域に新しい組織はいらない。今ある組織をつなげることが必要で、その『つなぎ役』とその『つなぐ役割を受任する地域の意識』が必要」
「地域を巻き込むためには、どこかの組織や個人が前にでるべきではない。皆の口からそれは必要だと言ってもらうようにすることが大切。自分も当初まちづくりをするNPO法人を新たに作って取り組み始めたが、それは必要なかった。新たな団体は必要ない。独立した団体は、成果を上げなければいけなくなる。成果を上げようと思えば、自ら前に出て取り組まなければいけない。それでは地域全体を巻き込むことは難しい」と話されました。
「成果を求めない、つなぎ役が必要」。
なるほど、至極納得です。そのつなぎ役が、各団体と話し共感してもらい、あたかも自らの団体の取組みであるかのごとく、話し出してもらうようにすることが必要なんだろうと感じました。
そして、もうひとつ、ものすごく納得出来た言葉は「子どものためならば、地域は割れない」。
地域では、大人は純粋な気持ちだけではなく、当然、判断材料にしがらみが付いて回ります。でも、地域の子どものため、地域の子どもの提案となると、しがらみも関係なく、賛同できると話されています。
今回の近江さんのお話は、僕が、今、関市のまちづくりを考えていく上で一番悩んでいる部分への一つの解答例でした。
「関市全体を巻き込んだまちづくりの仕組み」
今年度は、このテーマを突き詰めていきたいと考えています。